【東大受験生必見!】東大数学の体積問題の解き方 ~LESSON2~
こんにちは!半沢です!
前回の講座1に続き、東大数学の体積問題が解けるようになるLESSONについて、解説していこうと思います。
前回の講座1を確認したい方はこちらのURLから確認することができます。
それでは早速LESSON2を学んでいきましょう。
LESSON2:切って動かせ
LESSON2は「切って動かせ」です。
体積問題では図形が移動したり、回転したりしたときの通過領域の体積を求めさせる問題が出てきます。
そのときに図形を動かして、できた立体を平面で切るのではなく、平面で切ってから図形を動かすように考えるということです。
なぜならLESSON1と同じ理由で、立体はイメージしづらいからです。
先に切ってしまえば2次元上で「動き」を捉えてしまうことができます。
このLESSONは私の高校の数学教師から、じきじきに教わった伝統あるLESSONとなっております。
この考え方はのちのLESSON3の基礎となるので、この講座2を通してしっかり身につけましょう。
問題を解こう!
早速、問題を解いていきましょう。
例題:オリジナル問題
この問題は数\(\mathrm{I\hspace{-.1em}I\hspace{-.1em}I}\)の体積問題の初歩なので、解ける方が多いと思います。
おそらく解法は回転体の公式\(\int_{a}^{b} \pi\{f(x)\}^{2}dx\)を利用して求めるか、グラフを描いて、円錐になることに気づき体積を求めるといった方法でしょう。
ここでは、LESSON2が伝わりやすいように、あえて回りくどい方法で問題を解いていきます。
この問題では回転体の公式などを使って解く方が早くて楽です。
しかし東大の問題のように複雑なものだとLESSON2を使って解いていく方が楽なので、例題を通してLESSON2を身に付けていきましょう。
まずは「切る」
まずはLESSON2の1番目の「切る」部分です。
まだ動かしてはいけません。
つまりこの問題では、まだ回転させないことに注意です。
切るためには、どの平面で切るのかを考えなければなりませんが、最終的に\(y\)軸中心にして回転させるので、平面\(y=t\)で切っていきます。
\(xy\)平面上にあるので、領域\(A\)の式は
と書け、その\(xy\)平面におけるグラフは
となりますね。
そのため、立体\(K\)が平面\(y=t\)上に存在するための条件は、\(y=t\)と領域\(A\)が共有点をもつ必要があることから、\(0\leqq t \leqq 1\)で考えればよいですね。
まだ回転させていないので、立体\(K\)ではなく、領域\(A\)の切り口考えていきます。
\(y=t\)において、領域\(A\)を表す式をグラフが書きやすいように整理すると
となるので、その切り口は
ここまでで切る作業は完了です。
ここからようやくLESSON2の「動かせ」の部分に入ります。
次に「動かす」
LESSON2の2番目の「動かす」部分です。
「動かす」とは「回転させること」や「点を動かすこと」、「パラメーター(変数)を変化させること」など、問題によって変わります。
今回の問題では「回転させること」になりますね。
さきほどの領域\(A\)の切り口を\(y\)軸を中心にして回転させると(切り口上では\(y\)軸は原点に対応します)
となり、これが立体\(K\)の切り口になります。
よってその断面積\(S(t)\)は\(S(t)=\pi(1-t)^{2}\)となります。
したがって求める体積は\([0,1]\)内で\(t\)で積分して\(\dfrac{\pi}{3}\)ですね。
※今回の例題は積分計算も楽で、ここの解説でほとんど分かるので解説PDFは省略させていただきます。
ここまでの流れから、先に切ることで、動かす前の図形の切り口を考えることで、次に動かすことで立体の切り口を求められることが分かります。
これがLESSON2の、動きを2次元平面上で捉えることができるというメリットですね。
LESSON2は複雑な問題なほど輝くので、しっかりと定着させましょう。
実践:東大2020年度理系問5
それではLESSON2を使って、実際に東大の問題を解いてみましょう。
この問題は軌跡の内容が絡んできて難しいので、慣れていなければ完答できなくても大丈夫です。
ただし、講座1のときと同様にLESSON2:「切って動かせ」に沿って解答を作成するように心がけましょう。
解答ができた方から、下の解説PDFを見ていってください。
その他の例
この他の例として京大2023年度理系問3などが挙げられます。
この問題も難しい方なので、解けなくても落ち込まないでください。
LESSON2のみで解ける問題の例は、私の知る限りでは少ないです。
しかしLESSON2は、次の講座で紹介するLESSON3と合わせることで、解ける問題が格段に広がります。
そのため3番目の講座の「その他の例」にはたくさんの例をのせています。
この記事で紹介した問題が難しいと感じたら、講座3の問題を解いてみるのがオススメです。
まとめ
LESSON2の「切って動かせ」を習得していただけたでしょうか?
「動かしてから切る」よりも「切ってから動かす」ほうが、複雑な問題を解きやすいことが分かっていたら、とりあえずはOKです。
いよいよ次は、最後のLESSON3の講座(こちらから飛べます)です。
ぜひ最後のLESSON3まで読んでいってください。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。