【超基本_中学校レベル第7回】乗法と指数

2023.06/21

こんにちは、明智です。

この記事は数学超基本シリーズの中学校レベル第7回です。
高校生の皆様には簡単な内容ですが復習のつもりで読んでいただけると幸いです。

中学1年生の数学で習う乗法(累乗を含む)に関する例題を解説します。

乗法

乗法の計算で使える法則やテクニックを学びましょう。

乗法の交換法則・結合法則

加法と同じように乗法でも交換法則・結合法則が成り立ちます。

乗法の交換法則

乗法の結合法則

結合法則の例を見てみると等号の左側(左辺)のように計算すると,

次に,右辺のように計算すると,

右辺のように計算する方が楽に答えを求められますね。このように答えが10010010001000などのキリのいい数字になる掛け算を先にすることで,スムーズに答えを求められることがあります。

5×20=1005\times20=100の他に,

4×25=1004\times25=100,
8×125=10008\times125=1000
などは頻出なので見つけたらこの組み合わせを先に計算することができないか考えるようにしましょう。

負の数の個数で符号を決定する

2つの数どうしの掛け算をするときは,異符号どうしの積は負,同符号どうしの積は正になりましたね。しかし,33つ以上の数の掛け算をするときに毎回このようにして符号を決定するのは大変ですよね。

そこで,掛け算の符号がどのように決まるのか観察してみましょう。

ここでは符号だけについて考えるので正の数を(+),負の数を(-)で表します。また,正の数に正の数を何回かけても正の数になることを利用すれば,交換法則と結合法則を用いて全ての正の数は1個の(+)で代表できますね。

上の結果から
負の数が奇数個なら積は負
負の数が偶数個なら積は正
と言えそうですね。

これは2つの負の数をかけると正の数になることが関係しています。負の数が奇数個の時は負の数のペアを作っていくと負の数が11つ余ります。したがって積の符号は負となります。

反対に負の数が偶数個の時は負の数のペアを作っていくとちょうど全ての負の数がペアを作ることができます。したがって積の符号は正になるというわけです。

累乗

例えば2255回かけることを式で表そうとするとき
2×2×2×2×22\times2\times2\times2\times2
と書くのは大変ですよね。そこで
252^5
という書き方を考えます。

これは繰り返しかける数の右上(右肩)にかける回数を書くというものです。この時,右肩に書かれた数を指数と言い,252^52255乗(にのごじょう)と読みます。

そして,このような同じ数を何度もかける計算を累乗と言います。(累という字は重ねるという意味を表しています。何回も重ねて掛け算をするということですね。)

また,負の数の累乗の書き方には注意が必要です。例えば,2-255回かける計算は(2)5(-2)^5と表します。すなわち
(2)5=(2)×(2)×(2)×(2)×(2)(-2)^5=(-2)\times(-2)\times(-2)\times(-2)\times(-2)
です。

一方で,25-2^5というものも存在します。これは252^5にマイナス符号をつけたものを表しています。すなわち
25=(2×2×2×2×2)-2^5=-(2\times2\times2\times2\times2)
ということです。

等式・不等式

等号==を用いて表した式を等式不等号を用いて表した式を不等式と言います。

また,等式・不等式の左側の式を左辺,右側の式を右辺,左辺と右辺をまとめて両辺と言います。

不等号の例として,<や>がありましたね。ここからは,\leqq\geqqも加わります。これらはそれぞれ,「小なりイコール」,「大なりイコール」と読みます。

\leqqは左辺が右辺より小さいまたは右辺と等しいことを表し,\geqqは左辺が右辺より大きいまたは右辺と等しいことを表します。

例えば,2255より小さいので252\leqq5は正しいです。また,2222と等しいので222\leqq2も正しいです。

それから,4433より大きいので434\geqq3は正しいです。また,4444と等しいので444\geqq4も正しいです。
反対に,525\leqq2343\geqq4は正しくないですね。

例題

1. 次の計算を求めよ。

(1) (+10)×(+3)(+10)\times(+3)

(2) (7)×(+5)(-7)\times(+5)

(3) (+5)×(4)(+5)\times(-4)

(4) (12)×(3)(-12)\times(-3)

2. 次の計算を求めよ。

(1) (+1.5)×(0.8)(+1.5)\times(-0.8)

(2) (45)×(+103)\biggl(-\,\dfrac{4}{5}\biggr)\times\biggl(+\,\dfrac{10}{3}\biggr)

(3) (49)×(+6)\biggl(-\,\dfrac{4}{9}\biggr)\times(+6)

(4) (34)×(512)\biggl(-\,\dfrac{3}{4}\biggr)\times\biggl(-\,\dfrac{5}{12}\biggr)

3.3355の大小を不等号で表せ。また,(1)×3(-1)\times3(1)×5(-1)\times5の大小を不等号で表せ。

4. 次の計算を求めよ。

(1) (+5)×(125)×(8)(+5)\times(-125)\times(-8)

(2) (21)×(+60)×(+17)(-21)\times(+60)\times\biggl(+\,\dfrac{1}{7}\biggr)

5. 次の計算を求めよ。

(1) 4×(5)×54\times(-5)\times5

(2) (2)×8×(3)(-2)\times8\times(-3)

(3) (10)×(3)×(5)(-10)\times(-3)\times(-5)

(4) (83)×(4)×(916)×(23)\biggl(-\,\dfrac{8}{3}\biggr)\times(-4)\times\biggl(-\,\dfrac{9}{16}\biggr)\times\biggl(-\,\dfrac{2}{3}\biggr)

6. 次の計算を求めよ。

(1) (2)3(-2)^3

(2) 4×(32)4\times(-3^2)

(3) (5)×(2)2(-5)\times(-2)^2

(4) (1)2×62(-1)^2\times6^2

例題1解説:整数の乗法

1. 次の計算を求めよ。

(1) (+10)×(+3)(+10)\times(+3)

(2) (7)×(+5)(-7)\times(+5)

(3) (+5)×(4)(+5)\times(-4)

(4) (12)×(3)(-12)\times(-3)

(1) (+10)×(+3)=+30(+10)\times(+3)=+30
(2) (7)×(+5)=35(-7)\times(+5)=-35
(3) (+5)×(4)=20(+5)\times(-4)=-20
(4) (12)×(3)=+36(-12)\times(-3)=+36

例題2解説:分数・小数の乗法

2. 次の計算を求めよ。

(1) (+1.5)×(0.8)(+1.5)\times(-0.8)

(2) (45)×(+103)\biggl(-\,\dfrac{4}{5}\biggr)\times\biggl(+\,\dfrac{10}{3}\biggr)

(3) (49)×(+6)\biggl(-\,\dfrac{4}{9}\biggr)\times(+6)

(4) (34)×(512)\biggl(-\,\dfrac{3}{4}\biggr)\times\biggl(-\,\dfrac{5}{12}\biggr)

かける数,かけられる数が小数や分数になっても同じように計算できます。
(1) (+1.5)×(0.8)=1.2(+1.5)\times(-0.8)=-1.2
(2) (45)×(+103)=83\biggl(-\,\dfrac{4}{5}\biggr)\times\biggl(+\,\dfrac{10}{3}\biggr)=-\dfrac{8}{3}
(3) (49)×(+6)=83\biggl(-\,\dfrac{4}{9}\biggr)\times(+6)=-\dfrac{8}{3}
(4) (34)×(512)=+516\biggl(-\,\dfrac{3}{4}\biggr)\times\biggl(-\,\dfrac{5}{12}\biggr)=+\dfrac{5}{16}

例題3解説:大小比較

3.3355の大小を不等号で表せ。また,(1)×3(-1)\times3(1)×5(-1)\times5の大小を不等号で表せ。

3355の大小の大小関係は3<53<5と書けますね。もちろん353\leqq5も正しいですが,3355が等しくないことはわかっているので,「3355の大小を不等号で表せ。」という問題には3<53<5と答えるのが普通です。

また,
(1)×3=3(-1)\times3=-3
(1)×5=5(-1)\times5=-5
であり,3>5-3>-5です。よって(1)×3>(1)×5(-1)\times3>(-1)\times5となります。

例題4解説:乗法の結合法則

4. 次の計算を求めよ。

(1) (+5)×(125)×(8)(+5)\times(-125)\times(-8)

(2) (21)×(+60)×(+17)(-21)\times(+60)\times\biggl(+\,\dfrac{1}{7}\biggr)

3つ以上の数の乗法では,まず負の数が何個あるかを数えて符号を決定します。その後は絶対値の掛け算です。分配法則・結合法則を使って計算を楽にしましょう。

このように分配法則・結合法則を使えば,乗法の順序は自由に入れ替えることができます。

例題5解説:複雑な計算

5. 次の計算を求めよ。

(1) 4×(5)×54\times(-5)\times5

(2) (2)×8×(3)(-2)\times8\times(-3)

(3) (10)×(3)×(5)(-10)\times(-3)\times(-5)

(4) (83)×(4)×(916)×(23)\biggl(-\,\dfrac{8}{3}\biggr)\times(-4)\times\biggl(-\,\dfrac{9}{16}\biggr)\times\biggl(-\,\dfrac{2}{3}\biggr)

計算がややこしくなると符号の決定がおろそかになりがちです。まず符号を決めることを忘れないようにしましょう。

例題6解説:累乗の計算

6. 次の計算を求めよ。

(1) (2)3(-2)^3

(2) 4×(32)4\times(-3^2)

(3) (5)×(2)2(-5)\times(-2)^2

(4) (1)2×62(-1)^2\times6^2

累乗の表記による違いをきちんとおさえましょう。

例題の解答を見る

1

(1) (+10)×(+3)=+30(+10)\times(+3)=+30
(2) (7)×(+5)=35(-7)\times(+5)=-35
(3) (+5)×(4)=20(+5)\times(-4)=-20
(4) (12)×(3)=+36(-12)\times(-3)=+36

2

(1) (+1.5)×(0.8)=1.2(+1.5)\times(-0.8)=-1.2
(2) (45)×(+103)=83\biggl(-\,\dfrac{4}{5}\biggr)\times\biggl(+\,\dfrac{10}{3}\biggr)=-\dfrac{8}{3}
(3) (49)×(+6)=83\biggl(-\,\dfrac{4}{9}\biggr)\times(+6)=-\dfrac{8}{3}
(4) (34)×(512)=+516\biggl(-\,\dfrac{3}{4}\biggr)\times\biggl(-\,\dfrac{5}{12}\biggr)=+\dfrac{5}{16}

3

3<53<5
(1)×3>(1)×5(-1)\times3>(-1)\times5

4

5

6

練習問題にチャレンジ

1. 次の計算を求めよ。

(1) (+1.4)×(0.2)(+1.4)\times(-0.2)

(2) (83)×(54)\biggl(-\,\dfrac{8}{3}\biggr)\times\biggl(-\,\dfrac{5}{4}\biggr)

(3) (+59)×(32)\biggl(+\,\dfrac{5}{9}\biggr)\times\biggl(-\,\dfrac{3}{2}\biggr)

(4) (910)×(+53)\biggl(-\,\dfrac{9}{10}\biggr)\times\biggl(+\,\dfrac{5}{3}\biggr)

2. 次の計算を求めよ。

(1) (+4)×(7)×(+25)(+4)\times(-7)\times(+25)

(2) (42)×(+8)×(27)(-42)\times(+-8)\times\biggl(-\,\dfrac{2}{7}\biggr)

3. 次の計算を求めよ。

(1) (4)3(-4)^3

(2) 22×9-2^2\times9

(3) 52×(3)25^2\times(-3)^2

練習問題の解答を見る

1

(1) (+1.4)×(0.2)=0.28(+1.4)\times(-0.2)=-0.28
(2) (83)×(54)=103\biggl(-\,\dfrac{8}{3}\biggr)\times\biggl(-\,\dfrac{5}{4}\biggr)=\dfrac{10}{3}
(3) (+59)×(32)=56\biggl(+\,\dfrac{5}{9}\biggr)\times\biggl(-\,\dfrac{3}{2}\biggr)=-\,\dfrac{5}{6}
(4) (910)×(+53)=32\biggl(-\,\dfrac{9}{10}\biggr)\times\biggl(+\,\dfrac{5}{3}\biggr)=-\,\dfrac{3}{2}

2

3

勉強方法を直接相談したい方におすすめ!

「受験勉強への取り組み方をもっと知りたい」

「コツコツ勉強する秘訣が知りたい」

そんなあなたには,難関大学の現役学生にいつでも質問できる大変お得な「質問サービス」をおすすめします!

人気記事ランキング

  • 【超基本_小学校レベル第9回】速さ 算数における時間の表し方・単位換算,時速・分速・秒速の変換,距離・速さ・時間の関係,平均の速さ

  • 【グラフ理論】隣接行列とは? 定義・イメージから隣接行列の固有値の重要性についても解説

  • 【超基本_小学校レベル第6回】四則演算の計算する順番 計算の工夫

  • 【受験生必見!】京大数学の整数問題に有効な「フェルマーの小定理」を紹介

  • 【東大受験生必見!】東大数学の体積問題の解き方 ~おまけ~

新着記事

  • 【解析学】リーマンゼータ関数の整数における特殊値は? 証明も含めて解説

    2025.04/03

  • 【複素解析学】cot\,\cot\,の部分分数分解! 留数定理による証明を解説

    2025.04/01

  • 【解析学】cot\,\cot\,の部分分数分解! 美しいヘルグロッツの技法による証明を解説

    2025.03/31

  • オリジナル問題集

    2025.03/21

  • 【グラフ理論】ライツアウトとは? 遊び方から全ライトがONの状態は消灯できることの証明まで解説

    2025.03/20