【超基本_中学校レベル第1回】正負の数 反対の表し方,増減の表し方,負の数を含んだ数直線
こんにちは!半沢です!
この記事は数学超基本シリーズの中学校レベル第1回です。
高校生の皆様には簡単な内容ですが復習のつもりで読んでいただけると幸いです。
中学1年生の数学で習う正負の数から負の数を用いた反対の表し方,増減の表し方に関する例題を解説します。
また,負の数を含んだ数直線についても詳しく解説していきます。
目次
正負の数とは
\(0\)を基準にして数を分ける
小学校の算数で登場した数字は\(1\)や\(0.3\),\(\dfrac{1}{2}\)などの0より大きい数ばかりでしたね。
この\(0\)より大きい数のことを正の数と言います。
それに加えて,中学数学では新たに\(0\)より小さい数を習います
この\(0\)より小さい数のことを負の数と言います。
そして,正の数と負の数を合わせて,正負の数と言います。
正の数か負の数かは符号というものを用いて表します。
正の数は正の符号「\(+\)(プラス)」をつけて表します。
反対に,負の数は負の符号「\(-\)(マイナス)」をつけて表します。
ただし\(0\)は,\(0\)よりも大きくも小さくもないため,正の数でも負の数でもありません。
また,\(\dotsc-1,-2,0,+1,+2\dotsc\)と続く数を整数といい,特に整数の中で私たちがものを数える時によく使う\(+1,+2,+3\dotsc\)という数のことを自然数といいます。
たくさんの用語がでてきて,混乱すると思いますので,下の図で分かりやすくまとめておきました。しっかり用語の意味を確認しておきましょう。
ちなみに\(+1,+\,\dfrac{1}{2},+0.3\)は,これまで小学校算数で習ってきた\(1,\dfrac{1}{2},0.3\)と同じ数のことを表します。
ではなぜ\(1\)をわざわざ\(+1\)と書くのかというと,\(1\)が正の数であることを強調するためです。
そのため,基本的には\(+1\)を\(1\)と書いても大丈夫です。ただし問題によっては「符号を使って」など,指定がなされる場合もあるので,その際は\(+\)を省略してはいけません。
負の符号で反対を表す
負の数を使った「\(-50\,\mathrm{^{\circ}C}\)低い」という文は「\(50\,\mathrm{^{\circ}C}\)低い」という文の反対の意味を表します。
「\(50\,\mathrm{^{\circ}C}\)低い」という文の反対は「\(50\,\mathrm{^{\circ}C}\)高い」という文ですよね。
つまり,「\(-50\,\mathrm{^{\circ}C}\)低い」と「\(50\,\mathrm{^{\circ}C}\)高い」という文は同じ意味を表します。
分かりやすくまとめると下の図のようになります。
ここで同じ意味の文である「\(50\,\mathrm{^{\circ}C}\)高い」と「\(-50\,\mathrm{^{\circ}C}\)低い」の2つに注目しましょう。すると,正の数の「\(50\)」を反対の負の数の「\(-50\)」に,「高い」を反対の「低い」に変えていることがわかります。
カードを2回裏返しても,カードの表裏は最初の状態と変わらないように,言葉を2回反対のものにすることで,文章の意味を変えないようにすることができます。
このことを利用することで他にも,「\(-37\mathrm{g}\)重い」という文を「\(37\mathrm{g}\)軽い」という文に言い換えることができます。この言い換えがスムーズにできるようになっておきましょう。
正負の数を用いて,基準からの増減を表す
お小遣いに例えて説明をします。
まず,あなたは今\(1000\)円持っているとします。そして,親から\(500\)円をもらったらあなたの持っている金額は\(500\)円増加したことになります。
このことを「\(+\)」を用いて「\(+500\)円」と表します。
反対にあなたが\(500\)円の漫画を購入すると,あなたの持っている金額は\(500\)円減少したことになります。
このことを「\(-\)」を用いて「\(-500\)円」と表します。
このように,基準より増加したことや多いことを「\(+\)」を用いて表し,基準より減少したことや少ないことを「\(-\)」を用いて表します。
1-1. \(0\)を基準にして数を分けるで説明ように,正の数の場合は\(+\)でを省略してもよいのですが,この増減を表す意味で符号を用いる場合,慣例的に省略しないことの方が多いです。
負の数を含んだ数直線
数直線に負の数も含まれると数直線は下の図のようになります。
慣例的には上の図のように,\(0\)から右が正の数,\(0\)から左が負の数となります。
数直線で0に対応する点を原点といいます。原点は英語では「起点,起源」の意味を表す”origin”で書かれます。そのため”origin”の頭文字”o”をとって,原点を大文字のOで表します。
また,原点から正の数に向かう方向を正の方向,原点から負の数に向かう方向を負の方向といいます。
よって,上の図では右方向が正の方向,左方向が負の方向となります。
例題
1. \(+,-\)の符号を使って次の温度を表せ。
(1) \(0\,\mathrm{^{\circ}C}\)より\(40\,\mathrm{^{\circ}C}\)高い温度
(2) \(0\,\mathrm{^{\circ}C}\)より\(3.5\,\mathrm{^{\circ}C}\)低い温度
2. 次の問いに答えよ。
(1) \(-0.5\mathrm{^{\circ}C}\)を負の分数で表せ。
(2) \(-\,\dfrac{9}{2}\mathrm{^{\circ}C}\)を負の小数で表せ。
3.
東に\(1\mathrm{m}\)進むことを「\(+1\mathrm{m}\)」と表すとすると,
西に\(1\mathrm{m}\)進むことを「\(-1\mathrm{m}\)」と表すことができる。
(1) 東に\(3\mathrm{m}\)進むことは,どのようにあらわせるか。「\(+\)」,「\(-\)」のどちらかの符号を使って表せ。
(2) 西に\(5\mathrm{m}\)進むことは,どのように表せるか。
4.
上の表はある中学校の人数を表したものである。去年を基準にすると,今年の男子は去年より7人増えたので「\(+7\)人」と表せる。では今年の女子は去年の人数を基準にすると,どのように表せるか。
5. 負の数を含めた数直線は以下のようになる。
(1) \(3.5\)を表す点をしるせ。
(2) \(-1.5\)を表す点をしるせ。
(3) \(-\,\dfrac{5}{2}\)を表す点をしるせ。
例題1解説:正負の数の表し方
1. \(+,-\)の符号を使って次の温度を表せ。
(1) \(0\,\mathrm{^{\circ}C}\)より\(40\,\mathrm{^{\circ}C}\)高い温度
(2) \(0\,\mathrm{^{\circ}C}\)より\(3.5\,\mathrm{^{\circ}C}\)低い温度
この問題では「\(+,-\)の符号を使って」と書いてあるので,正の数であっても符号を省略しないように注意しましょう。
では,(1)です。「\(0\,\mathrm{^{\circ}C}\)より\(40\,\mathrm{^{\circ}C}\)高い」ので,\(+\)を使うことがわかり,答えは\(+40\,\mathrm{^{\circ}C}\)となります。温度を聞かれているので,温度の単位\(^{\circ}\mathrm{C}\)を忘れないようにしましょう。
次に,(2)です。「\(0\,\mathrm{^{\circ}C}\)より\(3.5\,\mathrm{^{\circ}C}\)低い」ので,\(-\)を使うことがわかるので,答えは\(-3.5\mathrm{^{\circ}C}\)です。
例題2解説:負の小数と分数の変換
2. 次の問いに答えよ。
(1) \(-0.5\mathrm{^{\circ}C}\)を負の分数で表せ。
(2) \(-\,\dfrac{9}{2}\mathrm{^{\circ}C}\)を負の小数で表せ。
小学校で,正の小数と分数の変換を習ったのと同じように,負の小数と分数の変換をすることができます。なぜなら,\(\dfrac{1}{4}\,=\,0.25\)であるので,「\(0\)より\(\dfrac{1}{4}\)小さい」ことと「\(0\)より\(0.25\)小さい」ことは同じこと,すなわち\(-\,\dfrac{1}{4}\,=\,-0.25\)であるからです。
そのため,(1)は\(0.5\,=\,\dfrac{1}{2}\)であるので,\(-0.5\mathrm{^{\circ}C}\)は\(-\,\dfrac{1}{2}\mathrm{^{\circ}C}\)という負の分数で表せます。
また(2)も,\(\dfrac{9}{2}\,=\,4.5\)であるので,\(-\,\dfrac{9}{2}\mathrm{^{\circ}C}\)は\(-4.5\mathrm{^{\circ}C}\)という負の小数で表せます。
例題3解説:負の数を用いた反対の表し方
3.
東に\(1\mathrm{m}\)進むことを「\(+1\mathrm{m}\)」と表すとすると,
西に\(1\mathrm{m}\)進むことを「\(-1\mathrm{m}\)」と表すことができる。
(1) 東に\(3\mathrm{m}\)進むことは,どのようにあらわせるか。「\(+\)」,「\(-\)」のどちらかの符号を使って表せ。
(2) 西に\(5\mathrm{m}\)進むことは,どのように表せるか。
この問題では1-2. 負の符号で反対を表すで解説したように,東に進むこととを正の数で表し,東の反対の西に進むことを負の数であらわしています。
(1)では東に進んでいるので,まず\(+\)を使うことがわかるので,答えは\(+3\mathrm{m}\)となります。
問題文には「符号を使って表せ」と書いてあるので,符号をつけることを忘れないようにしましょう。
(2)では西に進んでいるので,\(-\)を使うことがわかります。よって答えは\(-5\mathrm{m}\)となります。
例題4解説:増減を表す
4.
上の表はある中学校の人数を表したものである。去年を基準にすると,今年の男子は去年より7人増えたので「\(+7\)人」と表せる。では今年の女子は去年の人数を基準にすると,どのように表せるか。
表から今年の女子の人数は去年の女子の人数に比べて減少していることがわかります。
またその減少分は,\(80\,-\,77\,=\,3(人)\)より,\(3(人)\)となります。
よって,答えは\(-3\)人です。
例題5解説:数直線
5. 負の数を含めた数直線は以下のようになる。
(1) \(3.5\)を表す点をしるせ。
(2) \(-1.5\)を表す点をしるせ。
(3) \(-\,\dfrac{5}{2}\)を表す点をしるせ。
(1),(2),(3)の解答を上の図にまとめておきました。
(1)について,\(3.5\)は正の数であるので,\(0\)から右に\(3.5\)だけ進んだ点になります。今回の数直線では図の1目盛りが\(0.5\)であることに注意しましょう。
(2)について,\(-1.5\)は負の数であるので,\(0\)から左に\(1.5\)だけ進んだ点になります。
(3)について,\(-\,\dfrac{5}{2}\)は負の数であるので,\(0\)から左に\(\dfrac{5}{2}\)だけ進んだ点になります。
例題の解説を全て見終わったら,練習問題にチャレンジしてみてください。
例題の解答を見る
1
(1) \(+40\mathrm{^{\circ}C}\)
(2) \(-3.5\mathrm{^{\circ}C}\)
2
3
(1) \(+3\mathrm{m}\)
(2) \(-5\mathrm{m}\)
4
減少なので \(-3人\)
5
練習問題にチャレンジ
1. \(+,-\)の符号を使って次の温度を表せ。
(1) \(0\,\mathrm{^{\circ}C}\)より\(57\,\mathrm{^{\circ}C}\)高い温度
(2) \(0\,\mathrm{^{\circ}C}\)より\(10.5\,\mathrm{^{\circ}C}\)低い温度
2. 次の問いに答えよ。
(1) \(-0.25\mathrm{^{\circ}C}\)を負の分数で表せ。
(2) \(-\,\dfrac{7}{8}\mathrm{^{\circ}C}\)を負の小数で表せ。
3.
東に\(1\mathrm{m}\)進むことを「\(+1\mathrm{m}\)」と表すとすると,
西に\(1\mathrm{m}\)進むことを「\(-1\mathrm{m}\)」と表すことができる。
(1) 東に\(4.5\mathrm{m}\)進むことは,どのようにあらわせるか。「\(+\)」,「\(-\)」のどちらかの符号を使って表せ。
(2) 西に\(\dfrac{3}{2}\mathrm{m}\)進むことは,どのように表せるか。
4.
上の表はある中学校の人数を表したものである。去年を基準にすると,今年の男子は去年より13人増えたので「\(+13\)人」と表せる。では今年の女子は去年の人数を基準にすると,どのように表せるか。
5. 負の数を含めた数直線は以下のようになる。
(1) \(0.75\)を表す点をしるせ。
(2) \(-1.25\)を表す点をしるせ。
(3) \(-\,\dfrac{7}{4}\)を表す点をしるせ。
練習問題の解答を見る
1
(1) \(+57\mathrm{^{\circ}C}\)
(2) \(-10.5\mathrm{^{\circ}C}\)
2
3
(1) \(+4.5\mathrm{m}\)
(2) \(-\,\dfrac{3}{2}\mathrm{m}\)
4
減少なので \(-5人\)
5