【超基本_小学校レベル第9回】速さ 算数における時間の表し方・単位換算,時速・分速・秒速の変換,距離・速さ・時間の関係,平均の速さ
こんにちは、黒須です。
この記事は数学超基本シリーズの小学校レベル第9回です。
高校生の皆様には当たり前の内容かもしれませんが復習という観点で読んでいただけると幸いです。
小学校 算数で習うstrong>速さから算数における時間の表し方・単位換算,時速・分速・秒速の変換,距離・速さ・時間の関係,平均の速さに関する例題を解説します。
また,速さや道のりと距離の違いについても詳しく解説していきます。
目次
時間の単位変換
まずは時間の単位変換を理解しましょう。
時間・分・秒の変換
時間・分・秒の変換は速さを求める問題では頻繁に使うので,しっかり理解してくださいね。
基本的なことですが,
1時間は60分
1分間は60秒
です。これは大丈夫ですね。この関係を図にすると次のようになります。
図の説明をすると,
「時間」から単位を下げて「分」に変換するときは
「分」から単位を下げて「秒」に変換するときは更に
「時間」から一気に「秒」へ単位を下げるときは,の2回分となるので
逆に「秒」から単位を上げるときは,ではなくになるということを表しています。
「速さ」とは
次に速さについて説明します。
「速さ」とは「単位時間あたりに進む道のり」で表したもの
速さとは単位時間あたりに進む道のりで表したのもです。具体的には時速・分速・秒速などがあります。
時速:1時間あたりに進む道のりで表した速さ (例:時速)
分速:1分間あたりに進む道のりで表した速さ (例:分速)
秒速:1秒間あたりに進む道のりで表した速さ (例:秒速)
上記のとおり,速さは「単位時間あたり」で表されるので,時間・分・秒のいずれも「1単位」であることが重要です。
速さ・時間・道のりの関係
次に速さ・時間・道のりの関係について説明します。
速さは道のりを時間で割った式で求まる
速さを式で表すと,道のりを時間で割った式になります。速さを比較するときに揃えるべき単位量は時間なので,分母になることは当然ですね。
この式を変形すれば,時間と道のりを求めることもできますね。
「ハジキ」や「ハジミ」の紹介
先ほどの式を覚えやすく表現したものとして,「ハジミ」や「ハジキ」が有名です。習ったことのある人もいると思います。
ここで「道のり」と「距離」は意味が違うものの,式にあてはめるときは同じなので,同じ場所になります。この「ハジミ」からも先ほどと同じ3つの式を出すことができます。
しかし,このような語呂を暗記しただけでは,あくまで公式と求め方が分かるだけで,速さと時間と距離の関係を理解していないことになりかねません。また問題によっては対応できないこともあります。
そのためReQuestとしては,「速さは単位時間あたりに進む道のり」だということをしっかり理解してほしいです。それを理解できていれば3つの式を自在に出すことができるので語呂を覚える必要はありません。
「道のり」と「距離」は意味が違う
次に道のりと距離は意味が違うということについて説明します。小学校の算数では,
道のりは,道に沿って測った長さ
距離は,直線で測った長さ
と習います。下の図で説明すると道のりは,A地点からB地点まで行くために道に沿った長さです。距離は,A地点とB地点を直線で結んだ長さです。
しかし一般的には,「道のり」と「距離」は同じ意味として使うことが多いです。
例えば「学校のマラソン大会で走る距離は何km」とか言いますよね。マラソンが直線コースであることは無いと思うので,算数で習うとおりだと「学校のマラソン大会で走る道のりは何km」と言うのが正しいです。
でも先生でさえ「道のり」では無く,「距離」と言うと思います。変ですね。
つまり,算数を解くときには「道のり」と「距離」の言葉の意味を区別しつつも,実生活では同じ意味として使うことが多いということを知っていて下さい。
例題
1. 次の問いに答えなさい。
(1) 分は何時間か。分数と小数で表しなさい。
(2) 秒は何分か。分数と小数で表しなさい。
2. 次の時速を分速に、分速を時速で表しなさい。
(1) 時速
(2) 分速
3. 次の分速を秒速に,秒速を分速で表しなさい。
(1) 分速
(2) 秒速
4. 新幹線がの距離を分で走行する時,この新幹線の時速と分速を求めなさい。
5. ある車が時速で高速道路を走った時,次の問いに答えなさい。
(1) 時間走った時の進んだ距離は何か。
(2) 分走った時の進んだ距離は何か。
(3) 分秒で何進むのか。
6. の距離を車で移動するとき,次の問いに答えなさい。
(1) 高速道路を時速で走行する時,何時間かかるか。
(2) 毎分で走る車は,何時間かかるか。
7. 行きは時速,帰りは時速で家とコンビニを往復するとき,平均の速さはいくらか。
例題1解説:算数における時間の表し方・単位換算
1. 次の問いに答えなさい。
(1) 分は何時間か。分数と小数で表しなさい。
(2) 秒は何分か。分数と小数で表しなさい。
まずは(1)です。この例題は時間あたりの分は何時間かということを考えましょう。時間は分なので,
分は時間
となります。ここで大切なのは式の中では単位をそろえるということです。分母のと分子のは両方とも単位が分なのでそろっています。
は約分するとですね。
これが答えになりますが問題文では分数と小数で表しなさいとあるので小数でも表して,
時間時間時間
よって,答えは分数表記だと時間,小数表記だと時間となります。
次に(2)です。この例題も分あたりの秒は何分かということを考えましょう。分は秒なので,
秒は分
となります。あとは(1)と同様に解いて,
分分分
よって,答えは分数表記だと分,小数表記だと分となります。
例題2解説:時速と分速の変換
2. 次の時速を分速に、分速を時速で表しなさい。
(1) 時速
(2) 分速
この例題は時速を分速に,分速を時速に変換するだけの問題です。変換するときは単位をそろえて計算することに気を付けましょう。
まず(1)です。時速を言葉で言い換えると,
(1) 時速
⇒時間あたりの道のりを進む
⇒分間あたりの道のりを進む
となります。これを式で表現してあげればよいだけです。まず,をに変換するためにを掛けます。時間は時速から分速になるので,で割ります。これで問題文で求められている単位にそろえて計算できます。
よって,答えは分速となります。
次に(2)は,分速を時速に変換する問題です。
(2) 分速
⇒分間あたりの道のりを進む
⇒時間あたりの道のりを進む
よって,
となるので答えは時速です。
例題3解説:分速と秒速の変換
3. 次の分速を秒速に,秒速を分速で表しなさい。
(1) 分速
(2) 秒速
この例題は例題2と同様に変換して解きましょう。
(1) 分速
⇒分間あたりの道のりを進む
⇒秒間あたりの道のりを進む
ということですね。これを式で表現するだけですが,例題2のときはをに変換するためにを掛けていましたが,今回は分速と秒速ともにで答えるので何も掛ける必要はありません。
よって,答えは秒速となります。
次に(2)は,秒速を分速に変換する問題です。
(2) 分速
⇒秒間あたりの道のりを進む
⇒時間あたりの道のりを進む
よって,
となるので答えは分速です。
例題4解説:速さを求める
4. 新幹線がの距離を分で走行する時,この新幹線の時速と分速を求めなさい。
この問題は,速さの関係式を使い解くことができます。
そして問題文より,時速と分速はどちらもで解答しないといけないことに気を付けましょう。分速の単位をで解答してしまうと,間違いになってしまいます。
速さは,距離を時間で割れば求まりますね。時速と分速はどちらから求めても構いませんが,問題文は「分」で与えられているので分速から求めた方が簡単そうです。
よって,分速は距離を時間(分)で割ってあげて,
となります。よって一つ目の答えは分速です。
次に時速は,先ほど求めた分速にを掛けてあげて時速に変換します。
よって,二つ目の答えは時速です。
例題5解説:距離を求める
5. ある車が時速で高速道路を走った時,次の問いに答えなさい。
(1) 時間走った時の進んだ距離は何か。
(2) 分走った時の進んだ距離は何か。
(3) 分秒で何進むのか。
この例題も前問と同様に速さの関係式を使い解くことができます。まずは計算しやすいように時速を分速と秒速に変換しておきましょう。
時速を秒速に変換するととなりますが,問題文ではで解答することが求められています。そのためをしてをに変換し,秒速となります。あとは速さの関係式を使い,それぞれの距離を求めるだけです。
上の計算を簡単に説明すると,(1)は時間進んだ距離なので,時速に時間を掛けています。(2)は分進んだ距離なので,分速に分を掛けています。(3)は分秒進んだ距離なので,秒速に分秒を秒単位に変換した秒を掛けています。
(3)は別解として,分速のまま計算してからに変換する方法もあります。
分速に分秒を分単位に変換した分を掛けてになるので,をに変換するためにしてとなります。
例題6解説:時間を求める
6. の距離を車で移動するとき,次の問いに答えなさい。
(1) 高速道路を時速で走行する時,何時間かかるか。
(2) 毎分で走る車は,何時間かかるか。
(1)は速さの関係式を変形して時間を求める式にすれば解けます。
よって,答えは時間です。
(2)は,まず単位変換をしましょう。問題文の「毎分で走る」は言い換えると「分間あたりの距離を進む」ということです。つまり分速ですね。次にをに変換すると分速です。これを時速に変換すると,時速になります。
あとは(1)と同じように計算すると,
と求まります。よって答えは時間です。ここで補足として時間を分に変換すると,
となります。つまり分なので,合計時間分ですね。
例題7解説:平均の速さ
7. 行きは時速,帰りは時速で家とコンビニを往復するとき,平均の速さはいくらか。
この例題を安易に「平均だからで時速!」は間違いです。計算すれば分かりますが,速さは単純に平均できるものではないので注意して下さい。
この例題も速さの関係式を使い解くことができます。でも問題文では,「速さ」しか与えられていません。なので具体的な数値を自分で設定しましょう。
例えば,家からコンビニまでとします。次に「行き」と「帰り」の時間を計算すると,
行きは時間、帰りは時間と求まります。行きと帰りの「距離」と「時間」の数値を出せたので,一つの式にして平均の速さを求めます。
距離と時間はそれぞれ行きと帰りの数値を足します。これで平均の速さを求める事ができます。
よって,答えは時速です。
例題の解答を見る
1
(1) 時間時間時間
分数:時間,小数:時間
(2) 分分分
分数:分,小数:分
2
分速
時速
3
秒速
分速
4
5
6
7
練習問題にチャレンジ
1. 次の問いに答えなさい。
(1) 分は何時間か。分数と小数で表しなさい。
(2) 秒は何分か。分数と小数で表しなさい。
2. 次の分速を時速に、時速を分速で表しなさい。
(1) 分速
(2) 時速
3. 次の分速を秒速に,秒速を分速で表しなさい。
(1) 分速
(2) 秒速
4. 新幹線がの距離を分で走行する時,この新幹線の時速と分速を求めなさい。
5. 新幹線が時速で高速道路を走った時,次の問いに答えなさい。
(1) 時間走った時の進んだ距離は何か。
(2) 分走った時の進んだ距離は何か。
(3) 分秒で何進むのか。
6. の距離を車で移動するとき,次の問いに答えなさい。
(1) 高速道路を時速で走行する時,何時間かかるか。
(2) 毎分で走る車は,何時間かかるか。
7. 片道の距離を,行きは時間,帰りは時間で往復したとき,平均の速さはいくらか。
練習問題の解答を見る
1
(1) 時間時間時間
分数:時間,小数:時間
(2) 分分分
分数:分,小数:分
2
時速
分速
3
秒速
分速
4
5
6
7